土曜日、終日曇り、気温5度2011/01/15 14:33

今週末は天気は期待できないようですが、低い雲や霧が盆地に溜まるこんな日に高台に登ると美しい景色を楽しめます。昼飯がてら気軽に山に出かけられるのは田舎に住むものの特権ですね。 135mmのテレエルマーを持ってでかけました。シルアル番号を読むと1986年製造ということがわかります。レベッカの人気が高かった頃ですね。わたしは暇があればオートバイに乗っていた頃です。安く買ったトレールバイクでしたが。プラザ合意直後でバブル景気の絶頂期です。もっとも物理学科の学生は世の中の浮ついた景気とは無縁でしたが。親の援助なしで大学院に進学し博士課程にでもゆこうものなら中古の911くらい楽に買える程度の莫大な借金を抱えて社会に出ることになります。 わたしの知り合いの娘さんがハーバードに進学するとき、年間に3万ドルくらいは必要だと聞きました。USなどは学生向けのローンから借りることも多く、それを返すために金融など割の良い職業に就かざるを得ないのだと聞いたこともあります。 一方でわたしが知っているマイクロエレクトロニクス系の研究室では企業から研究費を引っ張ることで学生の学費、生活費の面倒をみているそうです。 もっともそれが出来るのは工学に近い分野の研究だけでしょう。 こども手当が教育水準のボトムを引き上げる効果があるとは思えませんし、学問などなくても実地に覚えれば良い仕事が世の中の9割以上です。高等教育が必要な1割に集中的に財政的な支援をしたほうが良いと思うのですがエリート主義的であるとか、高等遊民を生産するだけだとか非難されるのでしょうね。 今日はセンター試験の初日だったそうで、受験生の方は自分の点数を見比べて進路に悩んでいる方も多かろうと思います。 わたしは教師になるつもりなどないのに物理学科に進学することで親に心配されました。たんなる物理好きであったので学者以外の職業イメージがなく、わたしも最初の就職では失敗しましたが、マイクロエレクトロニクス業界には生きる道がありました。 受験生の方には試験の結果がどうあれ、入れそうな大学がどこであれ、自分がやりたい学問を選んでいただきたいと思います。 今思い出したのですが、わたしが最初の仕事選びに失敗したのは小金を貯めたら大学に戻ろうと考えていたからでした。それも文学部哲学科。浮き世離れしたところが今思うとやはりバブル世代か。

流民のうた2011/01/15 22:49

わたしには家族がいないので財産を残す動機などないし、入院でもしない限りは死ぬときはひとりです。きっと。 孤独死などとニュース記事は書きますがわたしの周囲では珍しくもなくなるだろうと思います。 「人生は所詮死ぬまでの暇つぶし」とうそぶいていた若い時分と違うのは人生には終わりがあることが現実的に感じられるということです。正月に帰省したときに老母と「最近は江戸時代もそう昔のこととは思えない」と話したのですが、50年や100年といってもそう長い時間でもないように感じられます。一方で50年で暮らしぶりも世界もまったく変わってしまいました。 40年前に新しい家族の家々が並んだ住宅地から成人した子供はただ外に出てゆき、老人だけが残る。財産代わりに授けた教育のおかげで子供は世界を流浪する。専門家としてキャリアを積んだばかりにかえって住む場所は選べなくなる。 これじゃあ流民じゃないか。と思うのです。

LED ZEPPELINの"Rain Song"がシミる夜だなあ。 もうロバートプラントも60過ぎた爺さんなんだなあ。