Mirage-7 ― 2009/04/05 14:29

ロシアのSTFというメーカーの7インチマクストフ望遠鏡です。鏡面精度に優れていることと頑強であることをうたっています。いささか口径が大きいため部屋から外に持ち出しても数時間は像がゆらいで落ち着きませんが、さすがに口径なりの明るさはあるので観察用にフィルターを入れても十分に使い物になります。市中の空では光害もありますからなんらかのフィルターは使うことが多いため重宝しています。本来のフォーカサーは棒のように突き出たつまみひとつですが、惑星を眺めるときなど微妙な調整には微動も欲しくなります。像がゆらぐこともありピント位置には迷うことも多いです。そこでMoonLiteというガレージメーカーのフォーカサーを付けて使っています。ただしネジも含めてアルミなので取り扱いには注意が必要です。オプションによっては小さな望遠鏡が買えるくらいの値段になりますが、このフォーカサーは絶品です。Mirage-7はいささか重いため小さな経緯台には載せられずベランダで気軽に使うには不向きですが、天気の安定した週末などにゆっくり眺めるのには悪くありません。SXD赤道儀で十分に使えます。
吉田正太郎さんの「反射望遠鏡光学入門」という本には同じF値のカセグレン系を比較した文献からの引用があり、中心像に限ると星像がシャープな系はシュミットカセグレン系、リッチークレチアン系、純カセグレン系であり、像面が平坦な系としてマクストフカセグレン系、シュミットカセグレン系、ドールカーカム系が挙げられています。わたしが最近気になっているドールカーカム系は中心像のシャープさに欠け、惑星や二重星の観測には向かないと書かれています。もっとも望遠鏡の形式を選ぶことは特定の製造メーカーを選ぶことと等しいので、とりわけ分解能については加工や組み立ての善し悪しに影響される話であろうと思います。わたしの実情では星のまわりの回折リングもきれいにみえない日がほとんどであるので、中心像もそう悪くなく、像面が平坦で写真向きのマクストフカセグレンは良い選択かと思います。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。