本当に役に立つ実用天文ソフトウェア EQAlign2011/12/20 00:08

夕暮れの東の空にはオリオン座の姿も見え、いよいよわたしが好きな系外銀河観察の季節になりました。(午後10時から朝までが勝負ですから。)今年のクリスマスは連休ですが月齢も申し分ありません。今年から望遠鏡をベランダに置いて撮影することにしました。東側の空しか眺めることはできませんが寒くなってもすぐに部屋に入れますし、何より毎回赤道儀のセットアップをするのは時間の無駄です。わたしが使っているSXD赤道儀は微速でのレスポンスが悪いので極軸を正確に合わせる必要がありますが駐車場ではそれは難しい。極軸望遠鏡で調整できるアライメント精度では撮影には不十分です。SXDの極軸望遠鏡の精度は公称3分です。今回はベランダにアルミのピラーを設置してそこに赤道儀を置くことにしました。視界が狭いのが欠点ですが準備を省略できる恩恵は大きいです。北天はまったく見えないのでコンパスと水準器で概ね極軸を合わせたらあとは実際に星を追尾して誤差をみながら軸調整を行う方法「ドリフト法」で微調整を行います。この方法で調整するときに問題なのはずれを測ってもどれだけ調整するかは勘になってしまうことです。最近はCCDカメラも普及したので便利なソフトウェアがありずれの計測結果から調整すべき方向や角度を求めてくれるソフトウェアもあります。今回はEQAlignというフリーウェアを使いました。たいへん優れたソフトウェアでずれの測定後に示されるグリーンの円に向かって極軸の方位と角度を調整するだけで高精度な調整を行うことができます。お茶を飲みながら数晩使って調整した結果、ガイドなしでも焦点距離400mm程度なら20分以上は点像を得ることができるようになりました。ずれの振幅が2ピクセル以下なんて夢のようです。軸合わせの精度は3秒くらいですね。極軸望遠鏡の60倍の精度です。これは素晴らしい。いずれは長焦点の望遠鏡で精細な銀河の写真を撮りたいという希望もかないそうです。(軽いアルミ鏡筒のC8を早速手に入れてきました。12/21)このソフトウェアはお勧めです。

話はそれますが赤道儀のSTARBOOKコントローラーの画面が乱れて読めなくなり、これは修理かなと思ったのですが箱を開けてみるとフラットケーブルをクリップする実に安っぽいコネクタを使っており、そのクリップからケーブルが抜けかけていたのが原因とわかりました。軽く手で引くとケーブルが抜ける程度のものです。ケーブルには重いフェライトコアが付いているため、振動で引きずられて徐々に抜けたのだろうと思います。挟み直してなおったのですが、なんとも安っぽい信頼性に欠ける設計だなとがっかりしました。その分お安いわけですが。