Blood Brothers2011/03/17 00:05

かつてわたしはテキサスに住んでいたことがあります。テキサス州は日本人とは繋がりが深い土地です。正確に言えば日系アメリカ人ですが。 かつてWW2中にテキサス州兵の部隊211人がドイツ軍に包囲されたときにその救出を行ったのが日系人により編成された442連隊2800人でした。221人を救出するために800人の日系人が死傷しました。戦時の日系人は強い偏見を持たれ、アメリカ国民であるにも関わらず強制収容所に閉じ込められており、彼らはアメリカ人としてのアイデンティティを血を流して示す必要があったのかとも思います。なにより彼らはアメリカ人なのですから。ユダヤ人強制収容所を解放した連合軍部隊もこの日系人部隊です。

いずれにせよ日系アメリカ人がそのときに血を流して助けたことで日本人である現代のわたしも多少なりとも恩恵を受けました。このエピソードをわたしは元軍人の上司から聞きいくつかの文献を読みました。

もちろんそのような軍事的オペレーションであれ、災害に対する国家間の支援であれ、外交には政治的意図や別の目的があることは承知していますし、ナイーブに感激するほどドラマ中毒でもありませんが、国家間の真の友情には血を流すことが必要であるとも前述の上司はわたしに言いました。たしかにそうであろうと思います。血を流すとは比喩ではありませんが、戦争のことをさしているわけではもちろんありません。わたしは学生時代にアルチュセールなど読んでいた「アカ」なので暴力装置という言葉にも違和感はありませんが、われわれを救うために血を流しているのはその「暴力装置」や「権力の犬」達であってすばらしいお題目を唱えているご立派な方々は何をやるのか?人物を見極めるには権力を与えてみれば良いという言葉がありますがまさにその通りです。

真の友を知るのは逆境の中でこそです。