天の川を見に行く2012/07/16 01:45

近頃は年のせいか夜のドライブは苦痛なのですが、目をこすりながら天の川を見に明野村に出かけました。お目当ては山に沈むさそり座あたり、われらが天の川銀河の中心部だったのですが残念ながら雲に覆われてよく見えません。それにしても夜中にここに来るのは寒い冬にオリオン座をみて以来のことですが、やはり夏の銀河は星も数多く濃いのでよくみえます。今度は梅雨明けに透明度の良い山頂で眺めたいものです。写真は買ったばかりのK-5と10mmの魚眼レンズで撮りました。ライカMで撮るときはUWH12mm、昔使っていたコンタックスではHologonのような歪みのないレンズが好みで愛用しているのですが、これはこれでおもしろいです。

天の川見物はわずか1時間ほどの短いお楽しみでしたがこの連休のハイライトです。

本当に役に立つ実用天文ソフトウェア EQAlign2011/12/20 00:08

夕暮れの東の空にはオリオン座の姿も見え、いよいよわたしが好きな系外銀河観察の季節になりました。(午後10時から朝までが勝負ですから。)今年のクリスマスは連休ですが月齢も申し分ありません。今年から望遠鏡をベランダに置いて撮影することにしました。東側の空しか眺めることはできませんが寒くなってもすぐに部屋に入れますし、何より毎回赤道儀のセットアップをするのは時間の無駄です。わたしが使っているSXD赤道儀は微速でのレスポンスが悪いので極軸を正確に合わせる必要がありますが駐車場ではそれは難しい。極軸望遠鏡で調整できるアライメント精度では撮影には不十分です。SXDの極軸望遠鏡の精度は公称3分です。今回はベランダにアルミのピラーを設置してそこに赤道儀を置くことにしました。視界が狭いのが欠点ですが準備を省略できる恩恵は大きいです。北天はまったく見えないのでコンパスと水準器で概ね極軸を合わせたらあとは実際に星を追尾して誤差をみながら軸調整を行う方法「ドリフト法」で微調整を行います。この方法で調整するときに問題なのはずれを測ってもどれだけ調整するかは勘になってしまうことです。最近はCCDカメラも普及したので便利なソフトウェアがありずれの計測結果から調整すべき方向や角度を求めてくれるソフトウェアもあります。今回はEQAlignというフリーウェアを使いました。たいへん優れたソフトウェアでずれの測定後に示されるグリーンの円に向かって極軸の方位と角度を調整するだけで高精度な調整を行うことができます。お茶を飲みながら数晩使って調整した結果、ガイドなしでも焦点距離400mm程度なら20分以上は点像を得ることができるようになりました。ずれの振幅が2ピクセル以下なんて夢のようです。軸合わせの精度は3秒くらいですね。極軸望遠鏡の60倍の精度です。これは素晴らしい。いずれは長焦点の望遠鏡で精細な銀河の写真を撮りたいという希望もかないそうです。(軽いアルミ鏡筒のC8を早速手に入れてきました。12/21)このソフトウェアはお勧めです。

話はそれますが赤道儀のSTARBOOKコントローラーの画面が乱れて読めなくなり、これは修理かなと思ったのですが箱を開けてみるとフラットケーブルをクリップする実に安っぽいコネクタを使っており、そのクリップからケーブルが抜けかけていたのが原因とわかりました。軽く手で引くとケーブルが抜ける程度のものです。ケーブルには重いフェライトコアが付いているため、振動で引きずられて徐々に抜けたのだろうと思います。挟み直してなおったのですが、なんとも安っぽい信頼性に欠ける設計だなとがっかりしました。その分お安いわけですが。

アンドロメダ2011/01/09 00:12

冬の晩に眺める秋の星座の最後はアンドロメダ座です。誰でも知っているカシオペア座と向き合うように南側の空、天頂近くにあります。この星座にはM31という大きく見応えのある銀河があります。肉眼でもぼんやりした光をみることができますが、これがそうだと言われなければ注意して見る人はあまりいないでしょう。 私たちの棲む天の川銀河に最も近い銀河です。 明るい星のまわりには青い縁取りがありますが、それはレンズの色収差によるものです。一般的に写真用レンズでは赤、緑の2色に対して収差を最小にするよう作られているので青は点像に写らないのです。肉眼やアポクロマート設計された望遠鏡では青くは見えません。中学生の頃に自作した望遠鏡では星には青い縁取りが必ずあり、なんと美しいことかと眺めたことを思い出しました。 黒く塗った工作用紙を丸めて安物のレンズをはめた望遠鏡で最初に探したのもこのM31でした。 高校に合格して最初の望遠鏡を親に買ってもらってベランダで探したのもこの銀河でした。望遠鏡のファインダーで探したM31はぼうっとした曖昧な光のかたまりで、10cmの反射望遠鏡の視野でも光る楕円にしか見えませんでしたが自分の目で見ている事に感動したことを覚えています。 さてそろそろオリオン座も高くなってきたし、、、というところでバッテリー2本を使い切りました。自動で始まるダークフレーム撮影中にいつも落ちるのです。冷却CCDの場合は温度と露光時間ごとにあらかじめ数十枚のダークフレームを撮影して補正データのライブラリを作っておきます。望遠鏡ごとのフラット補正データも同様です。一般のカメラでは1枚の撮影ごとにプロセスを完結させる必要があるので仕方がないのでしょうがどうにかならないものか。帰宅して早速バッテリー2本を注文しました。2本のバッテリーでは10枚も撮れません。