青い星々2011/01/08 23:57

西の地平に白鳥座が沈もうという頃、天頂に輝くのはカシオペアやアンドロメダ、おうし座などの秋の星座です。大きくて撮影しやすく、カメラ用望遠レンズでも撮りやすそうな昴を撮りました。もともと青い星雲に包まれた青く輝く星団です。レンズの色収差のおかげで演出されていますが、昴ならこれもよいかと思います。 焦点距離が長い望遠鏡で撮影するときにはフレームに入りきらない大きさなのですが、こじんまりと群れ集まる様はいかにも遠い星々の輝きという感じがよいかと思います。

季節外れの白鳥座2011/01/08 23:38

日没の5時には昼間みつけた場所に到着しましたがオリオン座を撮るにはまだ早い時間です。西の空をみると遠くの町やスキー場の明かりの上にはまだ夏の大三角形の星々が輝いています。 私の家からは西の空の撮影が出来ないので気がつきませんでした。 カメラ用のレンズセットでも撮れる大きな星雲といえば白鳥座のデネブの近くにあるNGC7000でしょう。レリーズを押して10分、暖を取っていた車の中から飛び出してシャッターを閉じるとすぐに車の中にに逃げ帰りました。余計なお世話のダーク補正でまた10分です。日が落ちると気温はみるみる下がってゆくのを体感します。冷たい赤道儀のハンドルを握っていると凍傷になりそうです。幸いにも90mmくらいの焦点距離のレンズならモーターのめくら運転でも撮影には十分でした。 アポクロマートになる前のSummicron 90mm F2とM8で撮りました。ISO640相当の感度で10分の露光ですからさほど長い露光時間ではありませんがデネブを囲む赤い散光星雲がよく写りました。

撮り初め オリオン座2011/01/05 11:15

久しぶりにきちんと準備をして夜空の写真を撮ってみました。撮影に邪魔な月もいないし、風もない。絶好の機会なのですが白く光る雲が南アルプスから流れてきます。オリオン座は南の空に高く輝いています。 大昔のエルマー9cmとM8で三つ星周辺の星雲を撮ってみました。50年も昔のレンズですがなかなか優秀で開放で撮影しても星のかたちが大きく歪むことはありません。このレンズの分解能を生かすにはF11が最適なのですが夜空を撮るのにそこまで絞ることはもちろんありません。星野写真は開放から1段絞って撮れと昔言われた気がしますが、絞り形状に起因して多角形の星になってしまうのがいやでこの写真も絞り開放で撮りました。エルマーの鏡筒は細めなので開放では周辺減光が生じます。十分に露光できる一般的な撮影ではバックグラウンド露光量の差が問題となることはありませんが、夜空の撮影では背景と天体に大きな光量差がないために不都合です。奇妙な光条が星から伸びるのを嫌って開放にするか、フラット補正の手間を避けるために絞るかは悩ましい問題です。 小さな2連の三つ星に重なるM42,M43も見えますが、オリオンのベルトの三つ星左端には赤い星雲に暗黒星雲が馬の顔を映しだしている様子も見えます。 完全にマニュアル制御の冷却CCDとは違い、長時間露光を行うと自動でダークフレームを撮り始めてしまうのでバッテリーが足りなくなって落としたフレームもあります。ACアダプターでも使えれば良いのですが。CCDのゲインとオフセットを独立して調整できる冷却CCDとは違い、ISO感度しか変えられないこともこういう特殊な撮影には不都合です。ダーク補正が自動で処理されるために元のRAWデータが残らないことも不都合です。きわめてSNの悪いデータを扱うため、ダーク補正やレンズ固有のフラット補正データは分けて扱えることが重要だからです。 そこを割り切ればカメラ任せの処理で撮れるものを撮るのは気楽ですね。ISO感度で640、露光は10分の1フレームのみで撮影しました。大星雲の中心部にあるトラペジウムの星々は白く飛んでしまっていますがチューリップの花びらのような星雲の形はよく見えています。