黎明期のオフロードラン2012/05/02 17:32

Matthew Valeというひとの"BSA UNIT SINGLES"という本は幾多の写真や絵、図面が含まれていて古いオートバイが好きな方には楽しい本だと思いますが、興味深いのは実際にキャンプやレースに使われている車両の写真です。扉には雨合羽みたいな服を着た警官たちがC15という250ccのオートバイでジャンプしている大きな写真が載っています。ホイールひとつぶんくらいしか飛んでいませんが120kg以上ある重い車体と高々20馬力程度のエンジンでよく走るなあと思います。C15が売られていた1959年といえば第二次世界大戦終結後まだ10年ほどの時期ですが、このオートバイと250TRはほとんど同じ性能なのでした。C15には競技用モデルも含めて5種類のバリエーションがあるようですが、このうちオフロードランに使われていたのはC15S、C15Tの2つのモデルです。スクランブルレース用とトライアル用に売り出されたこれらの車両はカムシャフトが違うだけでスタンダードモデルとの大きな違いは重量含めてなかったようです。こんな重い車体でどういう走りをしていたのか気になるところですが、この本には当時のトライアルの競技写真がありません。スクランブルの写真は80年代以前の日本のモトクロスコースとあまり変わらないようにもみえますが、海兵隊の選手が偵察走行の試験で走っているのは倒木があるトレールです。モトクロスに限れば私が乗り始めた80年代前半はスーパークロスに代表される興行化したモトクロスが登場した時期でアウトドアのコース設計もその影響を受けて大きく変化しました。サスペンションのストロークが足がつかないほど伸びたのもその頃だったように思います。コースなら足がつかなくても乗れますが山ではフワフワのいつ崩れてもおかしくない場所も走るときがあるので重心が高いバイクは勘弁ですね。

写真は昨日出かけた渓流です。川を渡った先が気になりますがけっこうな流れである上に釣りのおじさんがいるので遠慮いたしました。