雲の中でお弁当2012/07/22 13:43

降り出したかなと思ったら、ヘルメットのサンバイザーに結露してできた水の雫でした。湿潤な空気が肺を満たし、視界は濃厚な白い光の粒で遠近感を失います。数十メートル先は白い光の中に消失し走り慣れた道も知らない山道のようです。 雲に覆われた茅が岳を麓から眺めて、朦朧とした森の中は美しかろうと出かけました。もちろんお弁当も持って。 近頃は近隣の山の麓で熊に殴られた爺さんがいたり物騒なのでお昼の休憩は長い橋の真ん中でとることにしたのですが橋の欄干は濡れた空気からの結露でびしょぬれ、谷間の風景は雲に遮られ自分のまわりの空間だけが白い無から切り出されて浮かんでいるような景色でした。影絵のような樹々の向こうから鳥の声は聞こえてくるのですが姿はみえずただ白い光の中に自分ひとり閉じ込められているようで妙な気分でした。不思議なもんですね。何度も経験しているただの雲なのに。

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